最近、当ブログを読んで頂いたりFH5のゲーム内で交流のある方々から「どうやったら速くなれますか?」と度々聞かれます。
レースゲーム初心者で中々上手く走れないという方、FH5で初めてForzaシリーズをプレイし始めて感覚が良くわからないという方、シリーズを通してプレイしているけど中々レースで勝てないという方、AWD車でならレースで勝てるのだけれど、高速系のコースでハイパワーRWDに歯が立たない、真似して使ってみても制御が出来ないという方など、様々な相談がたまにくる今日この頃です。
相談対象として認識されていることはとてもありがたいことです。
ありがとうございます。
で、Forzaシリーズにおけるドライビングのあれこれを述べているブログやサイトも少ない(というか無い、あっても日本語圏外)という現状に対して、以前FM7(及びForzaMotorsportシリーズ)におけるバイブル的指南書は綴りましたがHorizonシリーズに関して動きの面で踏み込んだものは依然として無い(見当たらない)ため、今回はHorizonシリーズ向けとして誰かの技術向上に役立てばと思いつつ綴っていきたいと思います。そうすれば聞かれてもまずここを読んでと言えますからね。
過去に記事にしたFM7向けの記事と同じ内容を繰り返し綴っている部分もあります。
例によって私流の見解という前提でお願いします。
・デバイス別の違いについて
基本的には以前記事にしたFMシリーズ向けの内容が概ね合致します。
この記事を踏まえつつFHシリーズ向けに解説をしていきます。
FHシリーズは代々FMシリーズと挙動エンジンを大部分で共有しており、プレイヤーの入力に対して物理法則に乗っ取ったロジカルな演算をした後に車両の動きを出力しています。
部分的にゲームコンセプトに沿ってシステムを変更(路面のμを増加、荷重移動時の慣性モーメントの低減等)を行っている様ですが、基本的には現実と同様の動作で意に沿った走りができます。
これに関しては以前、PGの開発陣がEurogamerのインタビューで回答しています。
また、今作(FH5)はXboxOne(XboxSeriesX/S)、PC、各種Android・iOS端末でプレイが可能ですが、ゲームプレイ時の操作機器は大枠でハンドルコントローラー(以後ハンコン)、パッドコントローラー(以後パッド)、キーボードの3種となっています。
そしてこの3種、ゲームプレイ時には更に2種類の系統に分けて認識されています。
この2種類の違いは何かというと、ゲームプレイ時の車両姿勢制御・各種入力時の補正の強さ、及び有無になります。
ハンコンは補正が非常に弱く(もしくは無い)、パッド・キーボードでは強く働いているといった具合です。
この辺りはFMシリーズと同様で、ステアリングの入力に対してパッド・キーボードの場合は前輪の舵角をタイヤのグリップ力に合わせてシステムの方で修正を行ってくれます。
これのお陰で、パッドのスティックでガツンと100%の入力、またはキーボードでキーを入力をするだけで最適なステアリング角度を実現してくれているのです。
それに対してハンコンには舵角の補正が存在しません。
FH3の初期の頃には存在していましたが、いつの間にか消滅した以降そのままとなっています。
つまり、ステアリングを切り過ぎればフロントのグリップが限界を超えてアンダーを起こすといった現象が現実同様に発生します。
また、パッド・キーボードはハンコンと比べて荷重移動時のヨーの初速が遅い・ヨーそのものが小さくされるといった、ソフトウェアに介入する類の補正が存在しています。
FMシリーズではハンコン使用時にはヨー補正がない(現実でのスポーツ走行時との対比)と感じますが、FHシリーズはそもそもの路面μが高く現実との対比が成り立っていないのでハンコン使用時にも補正が作用しているかどうかは判別はついていません。
ただ、普段からハンコンユーザーで時々パッドでも遊んでいる私の感覚では、少なくともテールスライド時等においてハンコンとパッド・キーボードでの違いが存在すると感じています。
方向性的にはFMシリーズと同様の補正内容ですが、割合的にパッド・キーボードでのプレイ時はFMシリーズと比べて大きく補正が効いているようにも感じます。(これはあくまでも個人の感想です)
また、FMシリーズにおいてパッドとハンコンは別ゲーとハンコン経験者なら誰もが感じるものというのがフレンド内でも共通の認識ですが、FHシリーズでもそれは変わらない印象です。
パッド・キーボードで走った方が楽です。確実に。
長々と違いを連ねて何が言いたいかというと、FHシリーズにおいては速く走るという目標のためにハンコンを使ってプレイするという選択肢は取るべきではないという事です。
レースゲーム界隈で常識と認知されている「ハンコンの方が速い」という概念は一切通じません。
FMシリーズ以上に剥離しています。
ハンコンでレース、マルチプレイで勝とうとするいうのはストレスフリーで遊びまわれるゲームというコンセプトに真っ向から対立するという陣営に属することになるでしょう。
鉄の意志でもって「ハンコンで勝つ!」というスタイルを貫き通せない人には結構な苦行だと思います。
特にダートとクロスカントリーが大変です。
低μ+頻繁なジャンプによる姿勢変化の対処に、FMシリーズのステアリングアシスト:シミュレーションよりも更に繊細な操作を求められます。
ダートトラックに関して言えばRBR(Richard Burns Rally)よりはまだ幾分か簡単ですが、クロスカントリーだけはかなりしんどいです。
グリップしない、跳ねる、グリップしない、跳ねる、跳ねる、どっかいく、どっかいく(ry
RBRをハンコンで苦も無くドライブ出来る方ならまだ大丈夫かと思いますが、そうではなくFHシリーズで速く走るためにハンコンを導入しようと考えている方がもしも居るのならば、考えるだけで踏みとどまってください。
FMシリーズならまだわかります。
他のレースゲーで遊ぶことも兼ねてという導入方針なら何も言うことはありません。
オープンワールドをハンコンでのんびりドライブするのは楽しいことです。
でもレースで勝とうとするとストレスで髪が爆発離散します。(いやほんと)
ただ、誤解がない様に補足すると、少し上でも記した様にハンコンで走るのは楽しいという感覚はFHシリーズでも持ち合わせています。
速く走ろう、勝とうとすると難易度が跳ね上がるという話です。
ゲームレベル的観点で見ればハンコンでのドライビングそのものは難しくない、他のリアルドライビング系ゲームよりむしろ簡単なぐらいなのですが、それはつまり「誰もが速く走ることができる=重箱の隅をつついてスキルを引き出していかないといけない」ということに直結します。
何事も、上を目指す過程で限界を少しずつ上げていかなければならないという行程は必ず訪れますが、ハンコンとパッド・キーボードというデバイスの違いがその行程に必要な時間が違うということに直結しています。
それでもハンコンを使って勝とうと技術向上に努めている方々。
共に頑張りましょう。交流をお待ちしております。
まあ実際のところ、今の私がそうですがAWD車を使えば割とどうにかなります。
高クラスでRWD車を使ってマルチで勝とうとすると結構しんどいことになりますが・・・。
また、キーボードに関しては「十字キー・ボタンアクセル・ボタンブレーキのコントローラー」という感覚で十分に遊べます。
ステアリングに関しては前述の通り最適な陀角を維持、ブレーキはABSを付ければOK、アクセルはホイールスピンが起きるようならセナ足でOKです。
要は連打すればOKです。
キーボードで速い方も見かけます。
総評としては、それぞれのデバイスを突き詰めればそれなりのレベルに到達できますが、その先の領域の進捗率に差が出てくることはシステム的に必至であると言えると思います。
私は元々全レースゲームでハンコンユーザーだったので、その延長線上という形でFHシリーズもハンコンでプレイしていますが、そうではなくFHシリーズでハンコンを初めて触ったぐらいのレベルだったならば主にパッドで遊ぶという道を選んでいたと思います。
FMシリーズの解説記事では「好きなデバイスで上を目指したらいい」と締めましたが、FHシリーズだけは速く走る・上を目指すならパッドで走った方が無難と最後まで唱え続けてデバイス別の項を締めたいと思います。
意地とか己のアイデンティティーとかそういった類のものが無いと続きません。
次記事ではアシストの項を解説します。