Forza Motorsport 7で速くなるには?その1:デバイス選択

最近、Forza(Motorsport)界隈において「どうしたら速く走れる?」「タイムが伸びない」「オンラインで勝てない」などの悩みを多く耳にします。
また、日本においてはマイナーなレースゲームといった感触のあるタイトルでもあるため、速くなるための各種手解きが非常に少ないように感じます。

そこで、Motorsportシリーズ最新の「7」が発売から既に2年が経ち、ユーザー数がまばらになってきた現状を盛り上げたい気持ちも込めて、基本的なところから「Forza Motorsport 7(以後FM7)」における技術向上の為の色々を書き綴ろうと思います。

FM7(FMシリーズ)に特化した内容となりますので、他レースゲームに関する解説は他の方々のブログ等をご参照下さい。

何を使ってプレイするか

FM7はXboxOne版とPC版でのクロスプレイがForza Motorsport(以後FM)シリーズにおいて初めて実装されたタイトルです。
PC版においてはXboxOne版で対応している標準&エリートコントローラ、ハンドルコントローラに加え、PS4デュアルショック4やXbox360のコントローラ、Steamコントローラ、XboxOne版で対応していない各種ハンドルコントローラにも対応しています。
対応デバイス全てについて解説するのは大変(手元にない)なので、大まかにパッド型コントローラ(XboxOne標準コントローラなど。以後パッド)とハンドルコントローラ(以後ハンコン)に分けて、それぞれについて解説します。
ちなみに私はパッドプレイ時はXboxOne標準のパッド、ハンコンプレイ時はFANATEC製のCSL Elite Wheel Base(現行のPS4対応品の前モデル)+P1 Steering Wheel+CSR Pedalsの構成でプレイしています。
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最新機種ではありません。

何故パッドとハンコンで分けて解説をするのかと言うと、この二つの選択肢が違うだけでまるで別のゲームになるからです。
FMシリーズは代々リアルな挙動を再現するために、高度な物理演算エンジンを用いています。
これは現実におけるG(ヨー)の掛かり方、タイヤのスリップアングル等を忠実に再現かつ、高い完成度を誇っています。
サーキットでのスポーツ走行経験がある方であれば誰もが「リアル」と感じる代物です。FMシリーズは路面μが現実より低い傾向にあるので、そこで差異を感じる事はありますが・・・。
過去シリーズで不評を買うこともあったハンコンのFFBも、FM6から改善されてFM7では特に不自由なくプレイ出来るレベルに仕上がっています。
ハンコンを入手してプレイをすれば、リアルなドライビングを楽しむことが出来るのです。

ここで何が言いたいかというと。
これほどの代物、普通に考えたら手持ちのパッドコントローラではリアルな挙動をプレイ出来るわけがないのです。
アクセルやブレーキを指先の微妙なストロークでコントロールすることは可能でも、ステアリング周りはそうもいきません。
フロントタイヤのスリップアングルを超えない様に、車体の姿勢を崩さない様に、などステアリングには繊細な操作が求められます。
現実の市販車は大概、ステアリングの回転角は900°(片側450°)ですが、サーキット走行で使っても大体片側90°、タイトコーナーで多くても片側180°程度です。
それを考えると、パッドのスティック倒角15°程度に比率をそのまま当てはめると、タイトコーナーでも最大6°程度しか使わない計算になります。
これで快適なプレイなんぞ無理です。走れる人が居たらそれは人間ではありません。まあ世の中には人間の姿をしただけの生物もいますが・・・。
ではどうしているのかというと、パッドプレイ時にはゲーム内の補整機能が有効になります。
特に大きく働くのは、パッドのスティックを全倒しでもゲーム内ステアリングが切れすぎない・最適なスリップアングルを自動で維持してくれるという機能です。
これでかなりのイージードライブを可能にしています。
また、リアの横方向滑り出し時にも何かしらの補整が効いています。
これに関しては、減速によるサポートではなくGの掛かり方を穏やかにする、ヨー発生の初速を遅くしている等、恐らく物理演算に介入の方向で制御をサポートしています。
滑り出し察知の感覚が研ぎ澄まされた状態で、パッドとハンコンの両方を経験するとこの補整の存在を感じるはずです。

これら補整機能が優秀なおかげで、FMシリーズはストレスフリーなパッドプレイを実現しています。
ちなみに、ハンコンにはこれらの補整機能は一切ありません
ラフなコントロールによる姿勢の崩れ、グリップ力が低い車、その他etc、容赦なくスピンします。
元々FMシリーズが低μの傾向で滑りやすいのもあり、高速コーナーでコーナリング中にリアが滑って立て直そうにもスピンモーションに入り制御不能、そもそも滑った時点で制御不能・・・という場面、ハンコンでFMシリーズに触れて経験された方は結構いるのではないでしょうか。

これが、私が「パッドとハンコンは別のゲーム」と謳う理由です。
パッドとハンコン両方を触った事がある人は大体この感想を持つと思います。
私のフレンド達も口を揃えて同じ事を言っています。
ここまで書くと「じゃあ速く走るためにはハンコンいらないじゃん」と言われるかもしれませんが、いりません。
前述の補整機能が優秀なので、他のレースゲームでは半ば常識と化している「速く走る為にはハンコンが必須」という概念は通じません。
ぶっちゃけパッドで走った方が速いです。
そのせいもあってか、FMシリーズにおいては世界を見てもハンコンプレイヤーがひっっっっっっっじょーーーーーに少ないです。
FM7になって、PC版より参入された方によって若干の人口増加はあったかもしれません。が、その程度です。
パッドとハンコンどちらのプレイヤーなのかを判別する手段はありますが、各ランキングを見て回る限りでは世界上位10位以内に食い込んでいるハンコンプレイヤーはかなりレアです。
興味のある方は公式が主催している大会(ForzaRC)の過去アーカイブを見てみると良いかもしれません。大会の光景にビックリすると思います。

ただし、パッドでプレイして得られるゲインは、1周2分程度のコースにつき同じ車を用いて-0.3~0.5秒程と思っています。
この根拠は、元々ハンコンプレイヤーだった私がパッドプレイにも取り組んで技術が向上し、ハンコンでのタイムに並んできた現状で今後の伸びしろ的に感じる数字であること、FMシリーズにおけるハンコンのトッププレイヤーとパッドのトッププレイヤーのタイム差を見比べた結果です。
もちろん両者のスキル差は存在しますし、比較など無意味という結論に至る可能性もありますが、パッドのトップはハンコンも扱えてハンコントップよりもやや遅れる程度、尚且つこのハンコントップは、あるシーンでiRacingのトッププレイヤー(WCを何度も経験し、プロeSportsチームに所属)と遜色ないタイムを叩き出しています。本当に頭おかしいし理解不能です。
両者共に相当な技術を有していること、それを考えると先程記したタイムゲインはそう大きく外れてはいないと思われます。
余談ですが、そのハンコントップは日本人です。公式大会や大き目な大会をチェックしている方は名前を目にしていたかもしれませんね。

以上の理由もあり、パッドだからハンコンよりも1秒2秒も速いとかそういうわけではないということは補足として付け加えておきます。
ハンコンだから勝てない、という泣き言は相当先の話です。
また、ドリフト界隈ではパッドの補整機能が邪魔をして安定した姿勢を作れない?等の理由からハンコンに軍配がある様です。
私はドリフトに関してはよくわからないので、よくわかる誰かに聞いてください。

ちなみに、私が何故ハンコンでFM7をプレイしているのかというと、FM2~3あたりからPCシムのrFactor、iRacing、AssettoCorsa他をプレイしてきた延長線上でFM5で再びFMシリーズに舞い戻ってきたという経緯からです。
なのでFM4に関する事はほぼ全くわかりません。

何を使うかについて色々書き綴りましたが、最終的には「これで遊びたい」という気持ちに則ってデバイスを選択する事に尽きると思います。
プレイしてて楽しくなかったら速くなろうというモチベーションも続きませんからね。
モチベーション、大事ですよ。

次はアシスト周りと走り出し辺りまで進めたらと思います。