車両のPI値について&マルチプレイで割と(割と)勝てる車の傾向

アーリーアクセス開始から10日ほどが経過しました。
自分としては大体満足しています。(主に挙動とFFBが優れている故)
ただし、他の点に関してはイマイチに感じる物も多く、今後改善されるであろう・・・されなかったらちょっとヤバいのでは・・・という感想を持つ箇所も。
特に何よりも、予てから情報開示がされていた皆さんもご周知の「カーレベル」が思っていた以上に不便に感じるところです。
マルチプレイやライバルモードで誰か他の人が使っている車を試してみたいといった際に、当該車両を目標のクラスまでアップグレード出来る様になるまでの時間が3~4時間程度はかかる事が多い、というのはかなり痛手に感じます。
まあ、過去作の通例でいくと早々に必要時間の調整が入るかと思われますが・・・。

 

で。
前置きが長かったですが表題の件です。
上記前置きの修業期間を経て、車を自由にアップグレード出来るようになるとチューン要素を広げることができます。

チューンをした車でマルチプレイに参加することが出来ます。
その中にオープンクラスと呼ばれるロビーが存在します。
これは何かというと、PI値が規定値内(BやAやSやRなど)ならどんな車でも参加出来るというものです。
別途ディビジョン別等のロビーもありますが、「自分の好きな車で草レース」というFMシリーズの概念に沿ったものになります。
現在は週単位?でクラス変更が行われている様ですが、それに連なってか最近こんな話を聞いたり尋ねられたりしました。
PIの数字が同じなのに車によって全然速さが違う。なんで?」と。
自分で色々な車を走らせたときに、誰もが感じる要素です。
マルチプレイで速い人が居て、車を真似して使ってみたら全然速さが違うことを知った、という経験を多くの方がしているのではないでしょうか。
何故こうなるのか、を検証していくと様々なパラメータが関わっていることがわかると思います。
これについて少し記述をしていきます。

FMシリーズにおけるPIは、パワー、車重、駆動効率、グリップ力、前後重量バランス、ブレーキの制動力、空力性能、ボディ剛性、etc...などの多くの要素に基づいて決定されています。
要素単体で見れば、パワーがあれば加速力が上がる・最高速度が伸びる、車重が軽ければコーナリング性能が上がる・加速力が上がる、など現実の物理学に基づいた現象が反映されます。
では、それら要素が組み合わされた時にゲーム上でどの様な影響を及ぼすのか?

 

実は要素単体というよりも、各要素が組み合わされた状態での複合的な結果がPI値として反映されています。
わかりやすい例で言うと、空力性能が悪い車でパワーを上げても最高速は伸びません。
しかし、低速域からの加速性能は上がります。
そして、この時上げたパワーに対して必要なPI値が、空力性能が良い車よりも少なく済む事が大概です。
性能を上げた時に失われる(&効果がない)部分はPI値の上昇具合が減衰されるのです。
このロジックがPI値の概念になっており、同PI値でもコースごとに有利・不利な車が存在する理由になっています。

 

つまりなんぞや?という方のために、もう少し砕いて記述します。
例えば、平たい車と貨物用の大型トラックの様に前面が壁になっている車、空気抵抗以外の車重もパワーも全て同条件とした場合に、どちらが最高速度・加速性能が良いか?直線レースでどちらが勝つか?と問われた時に、壁の車が優れている・勝つと答える人はまず居ないと思います。
実際にその通りです。
検証をするまでもなく、空気抵抗の違いを理由に挙げて答えを出すと思います。
ここで、あるラインに上限速度を設定したらどうなるでしょうか?
例えば200km/hとした場合はどちらが勝つでしょうか?


答えは変わりません。平たい車が勝ちます。
この上限を150km/h、100km/hと下げていっても結果は変わらず平たい車が勝ち続けます。
空気抵抗が平たい車よりも大きいという、絶対的なマイナス要素を常に持ち続けている壁の車が平たい車に勝てる道理はないからです。
しかし、互いの上限速度を下げていくと変わるものがあります。
平たい車が終着地点に辿り着いた時点での差です。
長くなるので結論だけを記述すると、上限速度200km/hの時よりも100km/hの時の方が差は少なくなります。
負けていることに変わりはありませんが、負けの度合いが小さくなるのです。

 

この「負けの度合いが小さくなること」が何に影響するかというと、サーキット走行時のラップタイムに影響します。
上記の平たい車は200km/hの最高速度を有しているが壁の車は150km/hとした場合でサーキットを1ラップしたとき、どちらも実際に到達した最高速度が150km/hだった場合には、単純に考えると壁の車は平たい車からやや遅れたラップタイムを記録しているはずです。
空力性能以外が同条件、平たい車の50km/hの速度アドバンテージが死んでいるからです。


しかし、冒頭で述べたPI値のロジックを思い出してください。
平たい車からやや遅れた壁の車、PI値が平たい車よりも低い状態のはずです。
劣っている空力性能がPI値の消費を抑えているからです。
つまり、壁の車は平たい車よりもPI値を何かにまだ割く事が出来る状態にあります。
この割く先がタイヤのグリップであったり、更にパワーを上げて加速性能を強化であったり・・・。

 

PI値のシステムをパワー関係を例にして記述すると、こんな感じになります。
限られたPI値の中で何かに突出していると、何かが失われているという形です。
この関係はパワー関係のみならず、他の要素についても同様であり・・・を探っていくと時間がいくらあっても足りません。(特に今作は)

 

なのでざっくりと速い車の傾向を述べると、古めの車、軽い車、エンジンのパワーバンドが狭い車(というかVTEC搭載車)になります。(他にもあります)
古めの車はボディ剛性が低いのでその分のPIを他に当てることができる(ただし扱いづらい)、軽い車はコーナリング性能と加速性能を両立しやすく(最高速優先はコースを選ぶ)、エンジンのパワーバンドが狭い車(VTEC搭載車とか)はフラットなトルク特性ではない?事が?PI値に影響しているのか?そもそも速い車の分類に分けられているのか・・・?等になります。(少なくともS2000やEK9 シビックは速い)
あとは、V8に換装するとPI値の関係で速くなったり(謎)、遠心SCを付けられる車はPI値の効率が良かったり(謎)、FHシリーズと違ってFWD車、RWD車をAWD換装に換装すると劇的に遅くなったり(PI値消費多)など、色々とマシンメイクにおいて模索が必要です。
古い車が速めと記述しましたが、新しい車が速いこともあります。
ライバルモード、各クラスの各コースでどんな車が上位に居るのかを見てみてもいいでしょう。

 

長々と書きましたが、詰まるところは目的のコースで如何に平均速度を上げられるかが全てになります。
今現在開かれているオープンAクラスで、フォーミュラ・マツダが戦闘力を発揮していましたがサルトサーキットやロードアメリカでは何の戦闘力もありません。直線が遅すぎるので・・・。
色んなコースで色んな車を走らせてチューンをして、どんな車に優位性があるのか探ってみるといいでしょう。

 

・・・ということを色んな車で試そうとすると、やっぱりカーレベルが障壁になります
発売前は楽観視していましたが、実際に直面すると大分邪魔です。(日中は放置走行がほとんどだし)

 

早く緩和されませんかねぇ・・・。