ForzaMotorsportのハンコン(と挙動)

ForzaMotorsportの新作が発売日決定された影響か、FMシリーズのハンコン周り(FFB等)や挙動について調べる過程で当サイトへ訪れる方が多い様です。
リアルドライビングシミュレーターを謳うレースゲーム、プレイ時の挙動は気になるところです。
それに付随し、レースゲームにとって切っても切れない重要デバイスであるハンコン、そのFFBが気になるのは必然と言えます。

で。
当サイトがForzaシリーズの挙動周りの情報源として参考になる・・・と(稀に)耳にするので、FM7の現状を振り返りながら新作FMで公表されている情報を元に挙動周りとFFB関係の考察を綴っていきたいと思います。
あくまで私個人の感想と見解であるという点を踏まえて頂くようお願いします。

FFBに関しては新しい情報が無いので考察のしようが無いのですが・・・。

■ForzaMotorsportの挙動

過去記事からの繰り返し連呼となりますが、FMシリーズにはForzaTechEngineと名付けられている物理挙動エンジンが搭載されています。
この挙動エンジンの演算能力は高く、現実のスポーツドライビングに非常に近い操作性を実現しています。(自分のサーキット走行その他の経験との対比)

製作元のTurn10にはXbox時代のForzaMotorsportにおいてこんなエピソードが過去にあったそうです。(下記URL記事)

以下、一部引用になります。

"According to Greenawalt, Automagic is accurate enough that it has actually revealed flaws in real-world cars. One of those cars, he claims, is the Ferrari Enzo. Turn 10 modeled the Enzo shortly after its introduction — and before anyone outside Ferrari had driven it — using data obtained from Maranello. When the car was loaded into the game, its chassis balance was supposedly nightmarish, a mix of low-speed understeer and snap oversteer. "It didn't work below [triple-digit speeds]," Greenawalt says. "We thought, 'This is the Enzo — it can't be this bad.' We just assumed our math model was wrong." Shortly thereafter, several major car magazines drove the car and commented at length on its flawed handling. Greenawalt was nothing if not relieved."

 

ざっくり要約するとエンツォ・フェラーリが発表された時点でデータをマラネロから貰ってシステムに組み込んだら、アンダーステアオーバーステアが発生する状態だったんだ。関係者以外がエンツォに乗ったことがないからこれが正しいのかどうか判らなかったけど、後々のプレス誌でその通りの内容が書かれていたよ!」ということですね。

正直言ってこの内容の真偽の程はわかりませんが(あくまでもTurn10の主張)、実際にプレイしてきている身としては「昔からそんな精度を持っていたんだな~」という感想に至ります。

ちなみに、ハンコンとゲームパッドでの挙動に大部分で違いはありません。

ただ、別のゲームに感じるものと思われます。

走行時の入力に対する補正量がかなり違うからです。(ハンコンは補正無し)

詳細は下記記事をご覧ください。

 

・・・という一連を記したとしても「家庭用のゲームなんだから挙動はアーケードでしょw」という意見は出てきます。この意見の背景はなんとなく想像がつきますが。

最終的には各々が実際触ってみないと伝わらない領域の話なので、触る前の参考程度にFMシリーズとはどういった挙動の代物なのか、という資料をいくつか載せることにします。

基準として、F1ドライバーアイルトン・セナと中島悟が鈴鹿サーキット西コースを92年式NSX-Rで走行した時の動画に対し、わたくしのドライビングで恐縮ですがFM7においてドライビングアシストをノーマルとシミュレーションで走行した動画を載せておきます。

ドライビングアシストとはなんぞや?という方は、過去に解説している下記記事をご覧ください。

 

FM7側の条件としては「ABS無し・TCS無し・MT(クラッチ有)・NSX-R 92年式」という形になります。

 

 

現実:アイルトン・セナ&中島悟

 

現実の神々とは路面の状況やタイヤ状態等(あとスキルw)、比較の為のイコールコンディションは成立していませんが、物理学的観点での運動エネルギーの発生の仕方=挙動そのもの(入力に対する出力)の片鱗は垣間見れるかと思います。

ドライビングアシストをシミュレーションにすると荷重移動の初速が速く、ノーマルにするとそれが少し遅く、尚且つ荷重そのもの(というよりもヨー)が小さいのが見て取れます。

デグナー1個目、スプーン、130Rが判りやすいかと思います。

それぞれの挙動を何かに例えるとすると、シミュレーションは少し緩くなったrFactor2、ノーマルはAssettoCorsaやiRacingみたいなものだと思っています。

余談ですが、FM5はかなりピーキーかつ非常に滑りやすい(しかもFFB薄い)というrF2よりも走らせるのが難しい環境でした。

M気質な方はXboxOneとXboxOne対応のハンコン、FM5を揃えて是非プレイしてみてください。

笑っちゃいます。

 

・・・等々書きましたが、結局は実際にやってみてくださいという一言に尽きます。

Xbox Game Passに加入すれば初月は100円で一カ月のプレイが可能です。(オンラインマルチプレイは別途Xbox LiveかUltimateが必要)

FMシリーズに興味が湧いたらこれを利用してプレイを始めてみるのも一つの手です。

 

■ForzaMotorsportのFFB

この記事の本題です。

実はFMシリーズ(FHシリーズ含む)、FFBを語る上で重要な注意点があります。

PC版とCS版でFFBが違うのです。

CS版(Xbox)はデフォルトでも良好なのですが、PC版の場合はいくつか調整が必要です。(少なくともFM7時点では)

この点についてはFHシリーズの方で過去記事にて述べています。

上記記事の中でも述べていますが、「ステアリングの切り過ぎで前輪の横グリップが抜けた時の感触」と「カウンターステア時のSAT(セルフアライニングトルク、いわゆるしゅるしゅる)」の二つが違います。

なんで違うのか?と色々試した中での推測の一つとしては、PCモードでのドライバとCSモードでのドライバでFFBとしてハンコンへ出力されるデータの何かしらが違うのだろう、というのがあります。

この根拠は単純です。

私はFANATECのハンコン(昔のCSL、XboxOne対応)を使用しているのですが、PC版でハンコンをCSモードにして使用するとCS版のFFB、PCモードで使用するとそれとは違うFFBになったからです。

今はPCでFM7をプレイしていますが、以前はXboxOneでFM7をプレイしていました。

PC版でハンコンをCSモードにして使用したらXboxOneでのFFBが再現された、という話です。

どうしてこうなっているのかはわかりませんが、これは実際に発生している事象であり、恐らく今後もこのままではないか?と予想しています。

FM6以前はThrustMaster(仏Guillemot Corporation)がパートナー関係にあって、FM7で独FANATECがパートナーとなっていました。

が、そのFANATECがGT7の方でパートナーシップを築いているので次期FMはどうなるのかな~・・・?と少し不安視しているところです。

まあ、他のレースゲーム同様にFFBの調整項目は多岐にあるので何とかなると思っています。

 

Wheel Setup and Tuning FM7

https://support.forzamotorsport.net/hc/en-us/articles/360012736414-Wheel-Setup-and-Tuning-FM7

 

次期FMでも上記URL内の項と同じように調整が出来ることでしょう。

個人的には、グリップ時はCSモードで、ドリフト時はPCモードが走りやりやすいかなーと感じています。

現状はPCモードでグリップ・ドリフト共に何とかなるように調整してありますが、初手はこの二種を切り替えという形でも良いかなと考えます。

ただ、ハンコン勢にとっては「プレイを始めたらまずFFB調整」が必要になると認識しておいて間違いはないというのが今まで作品の流れで予測出来る事案です。

 

長くなりました。